気候変動が“生活の不安”と直結していることは、多くの人がすでに実感しています。
でもなぜ、こんなにも私たちの暮らしに影響を与えているのでしょうか?
それは、気候と社会システムが深く結びついているからです。
たとえば、雨の降り方が変わると、農家の収穫や価格設定にも影響し、結果的に私たちの食卓の物価が変わります。
台風や豪雨が交通インフラを止めれば、通勤や物流が止まり、仕事や医療に支障が出ます。
冬が暖かくなれば、スキー場の収益が減り、観光業や雇用も打撃を受けます。
気候変動は、直接的だけでなく、間接的にもじわじわと生活をむしばんでいるのです。
それに加えて、エネルギー価格の高騰は、気候危機だけでなく、世界の不安定な情勢とリンクしています。
私たちが日々支払っている電気代やガス代は、国際的な化石燃料の価格変動に左右されているのです。
つまり、気候対策とは未来のためだけではなく、「今日の暮らしの安心」を守るためのものなのです。
ある友人は、「気候変動の対策に熱心な立候補者に投票したいと思っていますが、公式ウェブサイトを見てもほとんど説明がありません」とその悩みを打ち明けてくれました。
また、ある議員さんは「気候危機がメディアで活発に取り上げられ、応援してくれる有権者が増えれば、私も気候変動対策をもっとがんばれます」と話しています。
メディアの中にも、気候変動の報道をがんばろうとしている人は増えています(実際、東京新聞のように、気候危機対策を主要争点と位置付けて選挙の立候補者アンケートを行ったメディアもありました)。
国民の9割が関心を持っている気候変動をどうやって解決するのか?
省エネ・再エネで日本をどのように豊かに、健康的にしていくか?
それこそ、政治家のみなさんにもっと語ってほしいことです。
そのためにも、メディアやジャーナリストが問い、報じてほしいのです。
気候危機の主因は、石炭・石油・ガスなどの化石燃料です。
実に日本の温室効果ガス排出の約9割が、それに由来します。
解決策はすでに明らかです。
化石燃料の輸入を減らせば、家計の負担も軽くなります。
再エネ・省エネ住宅を進めれば、健康的な暮らしが可能になります。
自然を破壊するような事業ではなく、「地元住民の方々が本当に求める再エネ事業」を育てれば、新しい雇用と地方の活性化にもつながります。
つまり、気候対策は「豊かさ」と「安心」をつくる投資です。
なのに、選挙報道ではこのような視点はほとんど取り上げられていません。
だからこそ、私たち市民がメディアに対して「気候も争点にして」と伝えることが、変化の出発点になります。
暮らしを守る選択肢が、きちんと語られる選挙にするために、いま、声を届けませんか?