ベトナムの気候アクティビスト ホアン・ティ・ミン・ホンさんが釈放されました

みなさんのおかげです!

ベトナムで拘束されていた著名な気候アクティビストのホアン・ティ・ミン・ホンさんが、ホーチミン市での判決から1年後の2024年9月に釈放され、無事に家族とともに米国に移住しました。ホンさんは2023年5月31日に逮捕され、2023年9月28日に脱税で起訴されました。ベトナムでは、気候変動に立ち向かう市民への弾圧はめずらしいことではなく、ホンさんの逮捕に対しては国連環境計画も「重大な懸念」を表明していました。3年の実刑判決をうけたホンさんは、1年の服役の後、釈放され、現在家族と無事に過ごしています。

24歳のとき、ベトナム人として初めて南極大陸を訪れたホンさんは、ベトナムで最も有名な気候ムーブメントの女性リーダーのひとりです。350.orgの関連団体を設立したホンさんは、ベトナムで化石燃料の開発と資金調達をやめ、再生可能エネルギー100%への移行を後押しする上で極めて重要な役割を果たしたのです。ベトナムには日本の官民が関与した石炭火力発電所があり、同国における脱炭素化や大気汚染の改善を邪魔しているため、日本にとって、まったくもって人ごとではありません。

彼女が逮捕されて以来、日本を含む55カ国から9,206人が嘆願書に署名し、ホンさんの早期釈放を求めるよう求めてきました。350 Japanも、ホンさんやすべてのアクティビストを釈放するように求める要請を日本の上川陽子外務大臣(当時)に送るよう呼びかけ、大勢のみなさんに協力いただきました。また、世界中の市民と連帯して、アクティビストを解放するよう求める連帯アクションに参加しました。

私たちは、友人であり、たいせつな仲間であるホンさんが釈放されたことを、みなさんに感謝しながら、ともに喜びたいと思います。本当にありがとうございました。

「ホンさんを、活動家のみんなを解放してください」世界一斉アクションに日本から参加

しかし、ホンさんの身に起きたことは、残念ながら氷山の一角です。私たちは、ダン・ディン・バックさんやバック・フン・ズオンさんを含む、ベトナムで獄中にある他のアクティビストたちに、そして世界のあらゆる国・あらゆる場所で不当に弾圧されているすべてのアクティビストたちに連帯します。あらゆる気候アクティビストが弾圧されることなく、より公正な未来のために安全で自由に行動できる世界でなければなりません。そのための努力はこれからもたえまなく必要です。

なんと、ホンさんから、みなさんに向けたメッセージをいただきましたので、ここで紹介したいと思います。

私が早期に釈放されたのは、世界中の何十もの組織やネットワーク、何千人もの個人を含む多くのみなさんがあきらめることなく訴え続けてくださったおかげです。みなさんの支援と行動には感謝しかありません。いつか機会があればみなさんと一緒に活動できることを楽しみにしています。

闘いはまだ終わっていません。気候危機は緊急の行動を要求しており、行動すべき時は今です。私たちは、化石燃料ではなく、クリーンな再生可能エネルギーを動力源とする未来に投資しなければなりません。ぜひこの署名を通じて、再生可能エネルギーによる解決を訴えましょう。なぜなら、私たちの地球はもうこれ以上待てないからです。

すべてのアクティビストが抑圧から解放されて「自由」になり、気候を救うためにともに活動できますように!私たちなら変化を引き起こすことができます。

ホアン・ティ・ミン・ホン

伊与田昌慶(国際環境NGO 350.orgジャパン・キャンペーナー)

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