平和な世界を求める気候ムーブメント

2023年10月7日にガザ地区が攻撃され、その後も紛争が続いています。そんな中、気候正義に関わる活動をすることは、何を意味するのでしょうか。

イスラエルとガザで凄惨な暴力が発生してから数ヶ月以上が経ちました。民間人がガザ地区を追い出され、救急車や病院、難民キャンプが爆撃を受けました。何千人もの子どもたちの命が危険にさらされています。

アメリカやヨーロッパではユダヤ教の礼拝堂が放火され、また、世界中でイスラム教徒がヘイトスピーチの対象になっています。そのような現状で気候正義について語ることは、何を意味するのでしょうか?罪なき民間人をはじめとする多くのの失われる命を悼みながら、暴力の連鎖を断ち切るため、私たちは何ができるのでしょうか?

気候の危機とガザの危機の間には、共通点があります。それは、私たち市民が、私たちの望む未来を選び、私たちが中心となり力を合わせ行動しなければならない、ということです。あきらめてはいけません。気候変動も戦争もない未来を選ぶことはできます。

気候正義は、平和に直結しています。気候危機解決のためには、自然環境から暴力的に資源を搾取するのではなく、より調和のとれた平和的な関係をあらゆる場所で人とも自然とも構築する必要があるからです。その中で、気候変動の原因である化石燃料や、気候変動の結果である異常気象によって被害を直接的に受けている地域コミュニティをサポートしていくことがとても大切です。

気候危機の大きな原因を作り出した化石燃料事業によって生み出される利益は、戦争の資金源になり、あらゆる場所で平和を脅かしてきました。化石燃料産業は、自らの利益のためだけにビジネスを続けてきました。化石燃料ビジネスから自分たちの土地を守りたいと願う地域コミュニティが、暴力にさらされることも多々ありました。戦争や化石燃料開発に巨額の資金を注ぎ込むことによって、再生可能エネルギーへの公正な移行に充てられるべき政府予算は圧迫されています。

気候危機によって燃えさかる地球、空爆によって焼かれるガザ。いずれも、私たち市民には、公正で平和な未来のために、不正義の炎を止める力と責任があります。

 気候変動は、非常に深刻な危機であり、世界中のあらゆる立場の人々が力を合わせて取り組む必要があります。気候ムーブメントは、あらゆる場所での市民と地域が主導となる再生可能エネルギー社会への転換を切り口に、これまでのような世界の不平等を克服することをめざしています。このビジョンを追求する中で、平和と人権がなければ気候正義は実現しないことは明らかです。

そのための第一歩は、即時停戦を支持することと呼びかけること、国際人道法や国際人権法を尊重すること、人道支援を提供することです。民間人のさらなる犠牲と人道危機を回避するには、これしかありません

気候危機もなく、戦争もなく、植民地主義も、特定のグループへの憎悪も、ユダヤやイスラムへの偏見もない公正な未来をめざせるはずです。そして、そうしなければなりません。

誰もが生きる権利を持ち、土地や水、澄んだ空気のもとで暮らせる世界、あらゆる個人とコミュニティの権利が尊重される世界を実現するには、それ以外に方法がないのです。気候正義と平和のために、すべての炎を止めなければなりません。

*この記事は、350.orgのブログ記事の抄訳です。

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